1. ヘッジモードとは?

ヘッジモードでは、クロスマージンモードで同一限月のロング/ショートポジションを同時に行うことができます。同じ数量のポジションを保有する場合、あるポジションの利益が他のポジションの損失を相殺(またはその逆)。こうして利益や損失を確定させる目的を達成します。
 

2. 全ヘッジ&一部ヘッジ

3.1 全ヘッジ

全ヘッジとは、同じ資産のロングとショートのポジション量が全く同じであることを意味します。ヘッジポジションは、通常の状況では清算されないが極端なシナリオでは起こる可能性があります。これは、一方のポジションの未実現利益を他のポジションの未実現損失のカバーに使用できるためです。全ヘッジには、ユーザー側で以下のような主な機能があります:
1. 価格変動によって先物の強制清算リスクが高まることはありません。
2. 価格変動は口座資金に影響を与えません。
 
例>(取引手数料を考慮しない場合):
ユーザーの初期口座残高は10,000USDTとします。クロスマージンモードで、BTC/USDT価格が10,000USDTの時に、レバレッジ10倍で2BTCのロングポジションを注文。この時のユーザーのポジションと口座状況は以下の通りです(維持証拠金率0.4%、テイカー手数料0.05%と仮定します)。
ロングポジションの初期証拠金=平均ポジション価格*金額/レバレッジ=10,000*2/10=2,000
口座利用可能証拠金=残高-全ポジション証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全未実現損益=10,000-2,000-0+0= 8,000
クロスマージンモードのポジションリスク=(全クロスマージンポジションの維持証拠金+全クロスマージンポジションの決済手数料)/ (残高-分離マージンポジションの全ての証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全未実現損益)=(10,000*2*0.4% + 10,000*2*0.05%) / (10,000 - 0 - 0 + 0) = 0.9%
 
BTC価格が9,000USDTまで下落した場合、損失が発生します。現時点でのユーザーのポジションと口座状況は以下の通りです。
ロングポジションの未実現損益=(市場価格-平均ポジション価格)*数量=(9,000-10,000)*2= -2,000
口座利用可能証拠金=残高-全ポジション証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全未実現損益=10,000-2,000-0-2,000= 6,000
クロスマージンモードのポジションリスク=(全クロスマージンポジションの維持証拠金+全クロスマージンポジションの決済手数料)/ (残高-分離マージンポジションの全ての証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全未実現損益)=(9,000*2*0.4% + 9,000*2*0.05%) / (10,000 - 0 - 0 - 2,000) = 1.01%
 
現時点でユーザーは-2,000USDTの損失をヘッジするために、9,000USDTで2BTCのショートポジションを注文することにしました。ユーザーのポジションと口座の条件は以下の通りです。
ロングポジションの初期証拠金=平均ポジション価格*金額/レバレッジ=10,000*2/10=2,000
ショートポジションの初期証拠金=平均ポジション価格*数量/レバレッジ=9,000*2/10=1,800
口座利用可能証拠金=残高-全ポジション証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全未実現損益=10,000-3,800-0-2,000= 4,200
クロスマージンモードにおけるポジションリスク=(全クロスマージンポジションの維持証拠金+全クロスマージンポジションの決済手数料の合計)/(残高-分離マージンポジションに使用された全て証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全ての未実現損益)= [(2*9,000*0.4% + 2*9,000*0.4%) + (2*9,000*0.05% + 2*9,000*0.05%)] / (10,000 - 0 - 0 - 2,000) = 2.03%
 
BTC価格が8,000USDTまで下落し続けた場合、ロングポジションは損失が発生し、ショートポジションは利益が発生することになります。このとき、-2,000USDTの損失がヘッジされているため、ロングポジションとショートポジションのヘッジが実現しました。
ロングポジションの未実現損益=(市場価格-平均ポジション価格)*数量=(8,000-10,000)*2= -4,000
ショートポジションの未実現損益=(平均ポジション価格-市場価格)*数量=(9,000-8,000)*2= 2,000
口座利用可能証拠金=残高-全ポジション証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全未実現損益=10,000- 3,800-0+(-4,000+2,000)= 4,200
クロスマージンモードにおけるポジションリスク=(全クロスマージンポジションの維持証拠金+全クロスマージンポジションの決済手数料の合計)/(残高-分離マージンポジションに使用された全て証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全ての未実現損益)= [(2*8,000*0.4% + 2*8,000*0.4%) + (2*8,000*0.05% + 2*8,000*0.05%)] / [10,000 - 0 - 0 + (-4,000+2,000)] = 1.8%
注:ここでのリスク低減は、BTCの価格下落によりBTCポジションの維持証拠金や取引手数料が低下したことによるものです。
 

3.2 一部ヘッジ

一部ヘッジでは、同じ先物のロングとショートポジションを異なるポジション量で保有します。ロングとショートポジションは部分的にヘッジされ、ヘッジされる数量はロングとショートポジション間の数量が少ない方と同じになります。ユーザーは一部ヘッジ後、残りのロングまたはショートポジションから発生する利益のみを得るか、損失を負担します。
 
例>(取引手数料を考慮しない場合):
ユーザーの初期口座残高は10,000USDTとします。クロスマージンモードで、BTC/USDT価格が10,000USDTの時に、レバレッジ10倍で2BTCのロングポジションを注文。現時点でのユーザーのポジションと口座状況は以下の通りです(維持証拠金率0.4%、テイカー手数料0.05%と仮定します)。
ロングポジションの初期証拠金=平均ポジション価格*数量/レバレッジ=10,000*4/10=4,000
ショートポジションの初期証拠金=平均ポジション価格*数量/レバレッジ=10,000*2/10=2,000
口座利用可能証拠金=残高-全ポジション証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全未実現損益=10,000-(4,000+2,000)-0+0=4,000
クロスマージンモードにおけるポジションリスク=(全クロスマージンポジションの維持証拠金+全クロスマージンポジションの決済手数料の合計)/(残高-分離マージンポジションに使用された全ての証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全ての未実現損益)=[(4*10,000*0.4% + 2*10,000*0.4%) + (4*10,000*0.05% + 2*10,000*0.05%)] / (10,000 - 0 - 0 + 0) = 2.7%
 
BTC価格が9,000USDTまで下落した際に、純ロングポジションが2BTCだった場合、損失が発生します。この時のユーザーのポジションと口座の条件は以下の通りです。
ロングポジションの未実現損益=(市場価格-平均ポジション価格)*数量=(9,000-10,000)*4= -4,000
ショートポジションの未実現損益=(平均ポジション価格-市場価格)*数量=(10,000-9,000)*2= 2,000
口座使用可能証拠金=残高-全ポジション証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全未実現損益=10,000 - (4,000 + 2,000) - 0 + (-4,000 + 2,000) = 2,000
クロスマージンモードにおけるポジションリスク=(全クロスマージンポジションの維持証拠金+全クロスマージンポジションの決済手数料の合計)/(残高-分離マージンポジションに使用された全て証拠金-フリーズ資産+クロスマージンポジションの全ての未実現損益)= [(4*9,000*0.4% + 2*9,000*0.4%) + (4*9,000*0.05% + 2*9,000*0.05%)] / [10,000 - 0 - 0 + (-4,000 + 2,000)] = 3.04%